みなさんも、仕事でAIを使い始め、「調べる」「比べる」「案を出す」が楽になったと思います。でも、選択肢が増えるほど、最後にどれを選ぶかで迷うことはありませんか。
「いやいや、メリットとデメリットをAIに比べてもらえば、
いちばん合理的な答えも出せるでしょ。
そこに哲学まで持ち込む必要はない」
そう感じる方もいると思います。
ところが、AIに「転職すべき理由」と「今の仕事を続けるべき理由」を別々に聞くと、どちらにも、もっともらしい答えが返ってきます。
AIが答えを出せるからこそ、人間には「何をよいとするか」の軸が必要になります。
答えが増えると、選ぶ理由が必要になる
組織でも、技術的にできることと、実行してよいことは違います。
効率が上がるとしても、それは誰のためなのか。
利益が増えるとしても、代わりに失うものはないのか。
複数の案から、何を「よい」として選ぶのか。
ここまで来ると、データや技術だけでは決まりません。最後に問われるのは、その組織が何を大切にしているかという哲学です。
ぼく自身、医療の技術を次の世代へ伝える中で、手順だけを教えても足りないと感じてきました。
「なぜ、この確認をするのか」
「なぜ、この順番を守るのか」
そこまで共有して、ようやく教わった場面と違う状況でも、安全を優先する判断につながると考えています。部下や後輩へ仕事を渡す立場の方なら、似た感覚があると思います。
哲学を、組織の仕事にする
まだ一般的な役職ではありませんが、哲学的な視点を組織運営に持ち込む「CPO(Chief Philosophy Officer/最高哲学責任者)」の実例が国内外にあります。
国内ではディップがCPOを置き、海外にも実例があります。この役割を扱う経営学の研究も出ています。
ただ、この役職を設ければ解決する話ではありません。現場で判断する一人ひとりが、「何のためにするのか」を言葉にできることの方が大切です。
AIは、選択肢と理由をいくつも出してくれます。でも、誰のために、何を守るのかまで、代わりに引き受けてはくれません。
次にAIへ「どうすればいいか」を尋ねる前に、あなた自身は「誰のために、何を守る選択なのか」を言葉にできているでしょうか。
いま守りたいものを一つ言葉にできたら、コメントで教えてください。




AIによって合理的な案や比較データがいくらでも手に入るからこそ、「何を大切にして選択するか」という人間の軸や哲学が問われるという指摘にすごく納得しました。効率やメリット・デメリットの比較だけでは決めきれない場面で、自分たちの価値観に立ち返る重要性を実感させられます。
AIで答えなどが簡単に見つかるような問いばかりをしていて、今、何がしたいの?とこの問いが多くなったような気がしてます。自分が決めるものを見つけているような気がしてます。