ここまで、
否認
怒り
取引
この3つの段階を見てきました。
そして、多くの人が一番つらいと感じるのが「抑うつ」です。
朝、起きられない。
何もしたくない。
食欲がない。
眠れない。
あるいは、眠ってばかりいる。
何をしても楽しくない。
ぼくにも、そんな時期がありました。というか、真っ最中です汗
外から見れば普通に仕事をしているように見えても、心の中ではずっとモヤがかかっているような感覚……
「このまま元に戻れないのではないか。」
そんな不安もあります。
医師として働いていると、「抑うつ」という言葉を診断名のように受け止める方もいます。
でも、ここでお伝えしたい「抑うつ」は、ちょっとだけ違います。
大きな喪失を経験したあと、一時的に心のエネルギーが落ちる。
それは、とても自然な反応。
心は、それまで張りつめていた緊張を少しずつ解いています。
だから、無理に元気を出そうとしなくてもいい。
ぼく自身、調子が悪くなったときに主治医から言われた言葉があります。
「時間はかかりますよ。」
たった一言でした。
でも、その言葉に救われました。
早く元気にならなければ。
前向きにならなければ。
そう焦っていた自分に、「急がなくていい」と許可をもらえた気がしたのです。
もちろん、眠れない日が続く。
食事が取れない。
仕事や生活に大きな支障が出ている。
そんなときは、一人で抱え込まないでください。
心の不調も、体の病気と同じです。
早めに相談することで、回復が早まることもあります。
ぼくも助けを求めた一人です。
だから、「助けを求めることは弱さ」だとは思っていません。
むしろ、自分を守るための行動です。
もし今、何もできない自分を責めているなら、今日は一つだけ覚えて帰ってください。
動けないのは、怠けているからではありません。
心が回復しようとしている過程です。
もし最近、「何もしたくない」と感じる日があったなら、それはあなただけではありません。
話せる範囲で構いません。
「こんなことで助けられた」
「こんな言葉に救われた」
そんな経験があれば、こっそりメッセージで教えていただけるとうれしいです。
次回はいよいよ最後の段階、「受容」です。
受容とは、あきらめることではありません。
ぼくが、少しずつそう思えるようになった理由を書いてみたいと思います。
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主治医からの「時間はかかりますよ」という一言に救われた、というエピソードが心に残りました。大きなショックのあと、早く元に戻らなければ、前を向かなければと焦ってしまうときほど、「急がなくていい」と言ってもらえることで救われる部分がありますね。何もできない自分を責めてしまいそうなときに、何度も読み返したくなるお話です。