頭が真っ白になる出来事は、誰にでも起こります。
実際に、ぼくにもありました。
4月中旬、出向元の上司からLINEで「もう戻らなくていい」というメッセージが届きました。
怒りより先に出てきたのは、
「えっ、本当に?」
という感覚でした。
頭が現実についていかなかったのです。
昨日まで当たり前だった場所に戻れないかもしれない。
信頼していた相手から、予想もしなかった言葉を受ける。
そんな出来事が起きると、人はすぐには現実を受け止められません。
その時のぼくは、「自分がおかしくなってしまったのではないか」と感じていました。
でも、あとから振り返ると違いました。
心が正常に反応していただけでした。
医療従事者なら、一度は耳にしたことがあると思います。
エリザベス・キューブラー=ロスの「5段階」
もともとは、死に直面した人の心の変化として知られる考え方。
否認
怒り
取引
抑うつ
受容
最近のぼくは、この5段階は死だけではないと思っています。
仕事を失う
人間関係が壊れる
病気を宣告される
離婚する
人生の土台が揺らぐような出来事なら、心は似たような反応を示します。
でも、ここで勘違いしてほしくないことがあります。
この5段階というのは、じつは階段ではありません。
「否認の次は怒り」というように、順番どおり進むとは限りません。
昨日は受容できたと思っても、今日はまた怒りが湧いてくることもあります。
だからぼくは、この5段階を「現在地を知る地図」と考えています。
山を歩くときも、現在地が分からなければ不安になります。
でも現在地が分かれば、次にどこへ向かえばいいか考えられます。
心も同じです。
「いま、自分はここにいる。」
それが分かるだけで、少し落ち着けることがあります。
これから数回に分けて、この5段階を一つずつ見ていきます。
まずは、「こんな地図があるんだ」と知っておくだけで十分です。
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次回は、一番最初に訪れることが多い「否認」について書きます。
「えっ、本当に?」
ぼくがLINEを見た瞬間、何が起きていたのかを振り返ってみます。




突然の出向解除という理不尽なショックに見舞われた際、「自分がおかしくなってしまったのではないか」という動揺を、むしろ「心が正常に反応していただけ」と肯定する記述に、非常に深く納得いたしました。
予期せぬ事態で頭が現実についていかない初期の混乱を、異常事態ではなく自然な防衛反応として受け止める解釈は、どん底の苦しみの中にいる人の動揺を静かに鎮めてくれますね。